谷樋の熱膨張が原因の裂傷型雨漏り考察
谷樋の熱膨張が原因の裂傷型雨漏り考察
今回の記事では主に谷樋に発生します熱膨張によります裂傷型の雨漏りを考察させて頂こうと思います。よろしくお願い致します。
①の写真は先日診せて頂きました銅板の裂傷による雨漏りの写真です。もう一つの②の写真は去年の暮れのステンレス枕樋の裂傷の写真となります。
裂傷の仕方がどちらも長方形の長辺に垂直方向で御座います。谷鋼板は殆ど摩耗による穴開きが大半ですので検証数は少ないのですが、どうも短編方向に引っ張られても耐えるのですが約400程の長辺方向に引っ張られると歪等を起点として耐えれない傾向にあると思います。
短編方向には瓦屋根の下に吊り子や孫受けや谷漆喰がありますので膨張を抑える働きがあり、長辺方向には基本受けが無い為自由に伸び縮み出来るといった環境による特徴がありますので長辺方向への裂傷が発生し易いという感じでしょうか。もちろん鋼板自体の厚みや照射時間によっても誤差は生まれます。
そうしますと・・
長尺の谷は一本物よりも鎧の様に細かく刻んだ方が強いのではないか?という考えも浮上します。しかし枕樋や箱樋・溝を刻む事は出来るだけ継ぎ目が無い方が防水的には優位ですので現実的ではありません・・。長尺の屋根谷樋の再施工時に限りますと一枚物に拘る必要性は無いような気もしております。裂傷を抑える意味では細かく刻んだほうが良いのですね。未だ屋根に使用する鋼板の他部位、庇、笠置、水切り等短尺の部位の裂傷は見た事が無いからです。現象への理解を深めつつ色々工夫してみる事が大切だと思わされます。
ありがとうございました!!!
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