水膜保護

はじめに

こちらの記事では銅製の軒樋の劣化が水膜によって遅れる現象に対します考察記事となります。よろしくお願い致します。

CA3I0472

水膜で保護する!? と申しましても、写真の瓦屋根の谷(雨水が溜まって流れているところ)を保護しますと雨が逆流してしまいます。またシリコンコーキングと屋根漆喰重の重ね塗りだけでは雨漏りが悪化するケースもありますのでご注意なさってください。

 

見えにくいのですが水膜が張ってあることによって銅板に穴が開かなかったケースがございます。
見えにくいのですが水膜が張ってあることによって銅板に穴が開かなかったケースがございます。

以前から銅板の穴開きの仕組みを知りたくて水膜保護の仮説を立てておりました。しかし該当する現場を頂く事がありませんでしたので予想の範疇を出ていなかったのですが今回考察通りの現場に恵まれました次第です。

電蝕も踏まえて考えます

写真の軒樋は勾配不良を起こしていた銅板の軒樋となりまして一年中雨が溜まっているみたいですが・・穴は開いていませんでした。こちらの理由なのですが落下水流による緑青の摩耗を長年水膜と埃で保護していたという事となりましてまた雨水に対する電蝕が起こらなかった理由も軒樋は純銅といいます再生銅よりも銅板自体に異種金属が混ざっていなかった所為からだと考えられます。通常の水捌けを維持している箇所は普通に落下水流による摩耗で穴が開いておりました。酸性雨の影響も全く無い訳ではないのですがそれだけでは銅板の穴開きを紐解く事が難しいと私は考えております。また違う視座を頂きましたら追って記事にさせて頂こうと思います。

ありがとうございました!!!