文化財と一般家屋と木柄と
本日は家内と京都観光させて頂いておりました。その時に色々と考えていた事を今回の記事で書かせて頂こうと思います。よろしくお願い致します。
文化財を目の前にしながら観光を兼ねて雨漏りの応急処置もしております。こちらは敷地内のお寺さんの雨漏り応急処置工事となります。こうして拝見させて頂いていますと流石に文化財と呼ばれる建物は木柄が違います。木柄とは要するに建物の骨組の事なんですが、ふと・・昔に先輩職人の方が言っていた言葉を思い出しました。(京都の一般家屋の木柄はちと、細いなぁ。)と。。。
明らかに今私も住ませて頂いています大阪南部とは違って細いんですがおそらくその理由があります。私なりに考えてみました所・・おそらくは人口密度からくる文化の継承ではないかなと考えておりました。
江戸時代などは今の様な消防施設が無くひとたび大火が発生すれば火消しと呼ばれる人が出動していた訳ですのでその際に最も早く建物ごと壊す対策が沢山の人命と財産と若い火消しさんの命その物を守る手段でありましたから家屋は簡単に壊れてくれないといけない訳であります。
人口密度が高く古い京都の町並み等は最善の防火の為に木柄をあえて細くしていたのかもしれません。簡単に壊れてしっかり建てる。なかなかどうして宮大工さんにも引けを取らない考察と技術が町の大工さんにも必要な時代であったかもしれません。
一方それほどの人口密度も無く引火の恐れの無い程敷地を広く取る事の出来る文化財や大阪南部などの建物は目一杯壊れ難い木柄で建てる事が可能だった訳でその文化がその地方で根付いて行くという考察であります。あえてそうしているのか? どうなのか?これからもよくよく吟味してご提案させて頂けたらと思っておりました。
余談ですがこちらの文化財の瓦屋根。瓦の上に瓦を置いておりますがこちらは上の屋根に樋を付けますと意匠が下がりますので
上の屋根の水を下屋で散らし雨漏りしない様にしている細工となります。
ありがとうございました!!!
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