八谷からの雨漏り
八谷からの雨漏りの考察記事となります。八谷とは竣工時からまた増築時に既存の屋根に繋いだ場合に出てくる谷樋です。
今回の雨漏りはこの八谷の頂上。丁度陸棟の尻が雨の侵入地点となります。ここの雨漏りも基本的にオーバーフローが前提となりますが、基本この部位に水流を運んでくる直上の瓦の流れ行きに左右されます。長尺の流れ行きになればなる程、また谷幅が狭くなればなる程、地瓦山芯で無く谷芯が最も関与している場合に雨漏りの危険性は増して参ります。
殆どの瓦屋根はこの陸棟の尻は漆喰仕上げですので水流に削られていきますと防水機能は次第に無くなって参ります。よって改善工事は漆喰以外の建材処理が必要となります。
八谷の尻の仕舞いも重要です。大量の雨をほぼ飲み切れない既存建材で確実に飲ましていく工夫が必要です。もちろんここも谷の長さを考慮して水仕舞いを付けなければなりません。
2016.11.19摂津市にて診断撮影させて頂きました。
銅板谷の摩耗穴も加味された雨漏りですが、八谷直上のハゼに地瓦芯の水流がまともに関与しております。ハゼの負担を考えた場合地瓦桟山芯の割り付けが望ましいのですが、桁行きの都合上この割り付けでも致し方ありません。ただ銅谷のハゼはゼロ勾配に寝かせるのでは無く立ち上げたほうがより雨水の干渉を防げたと考えられます。応急処置で取りあえず雨漏りはしのぎます。
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