良い屋根も沢山御座います
屋根調査にお伺いした時に偶に設計者の方の意図や職人さんの技巧が見えている場合の屋根がございます。そのような屋根の一例をご紹介させて頂こうと思いました。ありがとうございます。
こちらの屋根は鼻母屋から軒先まで銅板の晒し葺きで、意味のある軽量化と垂木折れの保護と銅樋の穴開きの保護(鮟鱇は厚み出し二重でクリヤ)と2階サッシ漏水と壁面劣化保護と水切り保護と葺き止め漏水保護、鼻母屋から棟木まで土葺きで重量を掛け小屋組のブレと束の離脱と断熱と通気確保による異常な耐久力と結露凍て保護板金と瓦のコラボ屋根でございます。(唯一の惜しい点は淀屋や一文字の垂れ直下穴開きですがこちらも修理費用は軽微)などなど良い屋根でした。
当時の大工さんが、わしはこれで最期かもしれんと言って自分の考察全てを出して作った屋根らしいです。塀の診断でしたので写真を撮り忘れましたが、上の様な形態の屋根ですね。個人的にこの形態の屋根はすばらしいと思う一日でした。
こちらの銅板芯木有り瓦棒屋根も秀逸です。よく銅板は酸性雨で穴が空く等言われておりますがそれは緑青という酸化被膜が摩耗されて緑青が作れない場合の箇所に限ります。ですので落下水流や水流の集中がないこちらの屋根の場合は塗装無しの正にフリーメンテナンスとなります。裏側が錆びても緑青ですので問題ありません。問題が出るとすれば結露による野地板の腐食のみとなります。
こちらの壁際の仕舞いかたも秀逸です。殆どが水切り熨斗瓦の上に水切り板金という壁際の仕舞いなのですが、壁面の水量と埃堆積を予め読みって最初から流れ方向へと谷を施設しております。常に現場で修理し続けないとこの発想は中々生まれ無い良い屋根良い仕舞いでした。
ありがとうございました!!!
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